対面 [雑記]
先週末は美術館で仏像を見る。
「仏像展に行く」と父に話したら、「おまえもとうとう仏様に手を合わせる心境になったか...」と言わてしまった。もちろんそういう気持ちもあるが、実は小学生の時に今回の展示仏像の一つ「中宮寺・菩薩半跏像(国宝)」の写真を見て以来、ずっと「一度は本物を見てみたい」と思っていた。子供心にもどこかその表情に惹かれるところがあり、本物をよく見てみたいと思った。その時の写真には確か「半跏思惟像」というキャプションが付いていたように思う。意味も分からぬまま「ハンカシイゾウ」と念仏のように繰り返してやっと覚えたのだった。
というわけで長年の念願が叶い、ご対面。思っていたよりも表情がはっきりしていて、「仏様」よりはもっと「人間」に近い感じを受ける。世界三大アルカイックスマイルの一つとも言われている微笑みも、私にはもう少し厳しいお顔のように見えた。見る角度・照明によっても表情は変わるが、見る人の心持ちによっても変わるそうなので、それが今の自分の心なのかもしれない。元々は彩色されていたそうで、光背も極彩色だったとのこと。今のお姿からは想像もつかないが、1300年という時の長さが伝わってくる。
今回の展覧会のもう一つのポイントは會津八一の歌と書も仏像と合わせて見れるというところ。どの歌もすばらしいし、流れるような「かな」書にも見入ってしまう。こういう素晴らしい先人が新潟県人であることも嬉しいことだ。
県内ではいろいろなところで八一の書に出合う機会があるが、そのたびに思い出すのが高校の書道の先生のこと。八一の書から大きく影響を受けられて、八一の号「秋艸道人」から一字をとってご自分の雅号にも使っておられたほど。授業では八一の書についての講義も受けたはずなのだが、そちらの方は何も頭に残っていない。もっとちゃんと聞いておくべきだった。
八一の書にあるように「観仏三昧」の時間を持つことができて、有意義な午後を過ごせた。久しぶりにまた奈良に行きたくなった。
新潟市の美術館での展示予定が変更になったこともあって
話題になってましたね。
長年の願いが叶い無事、ご対面できて何よりです^^。
by あさmi (2010-06-07 23:13)
>あさmiさん
まだまだ見ていたかったのですが、そうもいかず…。鑑賞後、写真集も購入して日がな眺めていますが、やはり本物でないと。本体が黒いので、写真だとどうしてものっぺり映ってしまうのです。奈良に行くしかないかぁ。お寺では今回のようにまじかで見ることはできないそうですが。
by masahime (2010-06-09 14:41)