L'Engle [英語多読]
夏風邪を引いたようで、なかなか治らない。
長かった今年の夏の後半はL’EngleのSFの世界で過ごさせてもらった。多読報告827冊目~832冊目。
Madeleine L’Engle 著 The Time Quintetシリーズ / Juvenile (young adult fiction)
A Wrinkle in Time (再読)
A Wind in the Door
A Swiftly Tilting Planet
Many Waters
An Acceptable Time
今回読んだのは、L’Engleの作品の中でMurry-O’Keefes家のお話であるKairos に属する5冊。他にChronosシリーズ等があり、両方にクロスして登場するキャラクターもいる。
以前は4部作で、Murry家の4人の子供たち(Meg, Dennys-Sandy (双子), Charles Wallace)がそれぞれ主人公。現在はMeg と友人のCalvin O’keefesが結婚し、その間に生まれた長女Polly がヒロイン(=第二世代に移行)の “An Acceptable Time” を加えて5部作として扱われている。
どれも面白いが、やはり1作目の”A Wrinkle in Time”が秀逸で、1963年のニューベリー賞他、多数の賞を受賞している。ただ、出版までの道のりは険しく、27社目で初めて出版されることになったそう。お話の方は、Murry家の長女Megが行方不明のお父さんと、いじめられっ子の末の弟Charles Wallaceを悪の手から取り返すための愛と勇気の物語。弟を思うMegの一途な思いが切なく、ほろりとさせられるシーンが多い。
双子の兄弟が活躍する “Many Waters” のように、ユニコーンやドラゴン、セラフィムたちが空を飛びかうファンタジックな作品もある。このお話の中には高校生兄弟の淡い初恋もあったりして、楽しませてもらった。
きっかけや理由はそれぞれだが、どの作品も主人公たちがタイムスリップ(1作目はスペーストリップ)する。作品の中ではこれをtesser(or tesseract)と呼んでいて、過去にスリップすることが多く、過去の(歴史的)出来事を通して平和と愛を訴える内容になっている。
宗教色が濃く、聖書からの引用等が多いのも特徴。
Rebecca Stead著 When You Reach Me / Juvnile
1978年のNYに住む小学6年生の日常生活と、ある日謎の手紙が届けられたことによるちょっとしたミステリーとの2つがミックスされてストーリーが展開していく。ヒロインは前述の”A Wrinkle in Time”が大好きという設定で、このことがお話の結構重要なポイントにもなっている。作者自身がNY出身で、自身の経験を反映しているといわれているだけに、当時の状況や子供たちの生活が生き生きと描かれている。キャラクター描写も素晴らしく、優しくてそして最後は少し切ないお話に。こちらも2010年にニューベリー賞を受賞。