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A Leaf on the Wind of All Hallows [英語多読]

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金曜日の夕方から昨日にかけての予報は暴風雪。風は強かったが、心配したほど雪は積もらず一安心。まだまだ長い冬は続くけれど。

昨年の秋ごろ、ずっと入手したいと思っていた洋雑誌のいくつかが国内でも販売されているのを知り、以来手軽に購入できて助かっている。昨年11月にも2get。ゆっくりと読みたいと思ながらも、なかなかまとまった時間が取れずに少しずつ拾い読みし、何とか読み終わったと思えば既に1月も終わろうとしている。どちらも季刊なので季節感が大事なのだが、そもそも輸入されてきた時点でタイムラグがあり、さらにモタモタと読んでいるので気分的に微妙なずれを感じることもあるが、美しい写真と文章がそれをカバーしてくれている。こちらの状況を見ていたかのように次号の案内も届いて、そのタイミングの良さに笑ってしまうが、3か月・4か月などあっという間、ということでもある。

多読の方はやや失速気味。読みたい本は色々あるが、なかなか大作に取り組む意欲がなかった。以前のペースを取り戻すべく、大好きなOutlanderシリーズの8巻が出ているはず、とチェックしたところ、Gabaldon本人が「今年の秋頃出版予定」とインタビューで答えていて残念。かわりにシリーズのサイドストーリーとなる短編を読むことに。ということで多読報告836冊目。

Diana Gabaldon 著 “A Leaf on the Wind of All Hallows: An Outlander Novella”

Outlanderシリーズ本編で重要なキャラクターの一人であるRoger MacKenzieがなぜ孤児になったか、のお話。本編では「両親を事故で亡くして」というような簡単な説明しかされていなかった。Rogerの父Jerryと母Dolly2人とも実はFrank Randal(本編のヒロインClaireの現代での夫)と接触があったことが明かされている。短編なのであまり深いストーリーにはなっていないが、ラスト数ページの展開はGabaldonの本領が発揮されている感じで良かった。悲しいエンディングだが、Rogerは両親の無償の愛に包まれていた、ということに救いがある。ますます新刊が待ち遠しい。



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L'Engle [英語多読]

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夏風邪を引いたようで、なかなか治らない。

 

長かった今年の夏の後半はL’EngleSFの世界で過ごさせてもらった。多読報告827冊目~832冊目。

 

Madeleine L’Engle 著 The Time Quintetシリーズ / Juvenile (young adult fiction

A Wrinkle in Time (再読)

A Wind in the Door

A Swiftly Tilting Planet

Many Waters

An Acceptable Time

 

今回読んだのは、L’Engleの作品の中でMurry-O’Keefes家のお話であるKairos に属する5冊。他にChronosシリーズ等があり、両方にクロスして登場するキャラクターもいる。

以前は4部作で、Murry家の4人の子供たち(Meg, Dennys-Sandy (双子), Charles Wallace)がそれぞれ主人公。現在はMeg と友人のCalvin O’keefesが結婚し、その間に生まれた長女Polly がヒロイン(=第二世代に移行)の “An Acceptable Time” を加えて5部作として扱われている。

 

どれも面白いが、やはり1作目の”A Wrinkle in Time”が秀逸で、1963年のニューベリー賞他、多数の賞を受賞している。ただ、出版までの道のりは険しく、27社目で初めて出版されることになったそう。お話の方は、Murry家の長女Megが行方不明のお父さんと、いじめられっ子の末の弟Charles Wallaceを悪の手から取り返すための愛と勇気の物語。弟を思うMegの一途な思いが切なく、ほろりとさせられるシーンが多い。

 

双子の兄弟が活躍する “Many Waters” のように、ユニコーンやドラゴン、セラフィムたちが空を飛びかうファンタジックな作品もある。このお話の中には高校生兄弟の淡い初恋もあったりして、楽しませてもらった。

 

きっかけや理由はそれぞれだが、どの作品も主人公たちがタイムスリップ(1作目はスペーストリップ)する。作品の中ではこれをtesseror tesseract)と呼んでいて、過去にスリップすることが多く、過去の(歴史的)出来事を通して平和と愛を訴える内容になっている。

宗教色が濃く、聖書からの引用等が多いのも特徴。

 

Rebecca Stead著 When You Reach Me / Juvnile

 

1978年のNYに住む小学6年生の日常生活と、ある日謎の手紙が届けられたことによるちょっとしたミステリーとの2つがミックスされてストーリーが展開していく。ヒロインは前述の”A Wrinkle in Time”が大好きという設定で、このことがお話の結構重要なポイントにもなっている。作者自身がNY出身で、自身の経験を反映しているといわれているだけに、当時の状況や子供たちの生活が生き生きと描かれている。キャラクター描写も素晴らしく、優しくてそして最後は少し切ないお話に。こちらも2010年にニューベリー賞を受賞。

 


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Sophia's Secret (The Winter Sea) [英語多読]

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しばし心も頭もスコットランドの海辺をさまよっている間に、季節はすっかり夏に。見上げれば空の青さが一段と濃くなっていた。

ということで本日も多読報告。818冊目。


 

Sophia's Secret

Sophia's Secret

  • 作者: Susanna Kearsley
  • 出版社/メーカー: Allison & Busby
  • 発売日: 2008/09/22
  • メディア: ペーパーバック

初めての作家だが、ジャコバイトの乱がテーマと知り即買い即読。期待通りの作品で、大満足。お気に入りの作家が増えた。

作家のCarrieは、1708年のジャコバイト侵攻の話を書こうとフランスで取材・執筆しているが、スコットランドに住む友人を訪ね、そこでジャコバイト運動の拠点の一つであるSlains城を見て強く惹かれるものがあり、城のある Cruden Bayに移り住むことにする。自身の先祖であり、1700年当時を生きたSophia McClellandの名前を物語の語り手となるヒロインと決め執筆を始めるが・・・。ストーリーは現代の世に住むCarrieの生活と、彼女の書くSophiaのお話しとがパラレルに語られていく。

本作でCarrieが執筆しようとしているジャコバイト運動は1708年の侵攻のことで、”the Fifteen” ”the Forty-five” のような大きな反乱には至らず、不成功に終わった数々の企ての中の一つ。作中でも語られているように準備・タイミング等完璧だったにもかかわらず、James三世がスコットランドに上陸することはかなわなかった。この時のみならず、結局ジャコバイト運動は実を結ぶことはなく、スチュアート家の王が復活することはなかったことを歴史から我々は知っているわけで、作中作のヒロインSophiaや周りの人々の行く先にあまり明るい未来は無いと思うとはらはらしてしまうのだが、我らがヒロインSophiaはその混乱の中、胸を張って前に進んでいく。

この作中小説では、ヒロインSophia以外の主要人物はすべて実在の人。事の隠密性からあまり資料が残っていないとのことだが、歴史上の事実とフィクションの部分が上手くかみ合っていてhistorical story の面白さが大変良く出ている。

舞台になっているSlains城はBram Stokerが『ドラキュラ』を書くインスピレーションを得たことでも有名。読後、このお城の写真を探していたら作者のHPに行きついて、お城だけでなく作品に登場するCruden Bayのホテル・パブなどの写真も掲載されていた。これを見てから読んでいれば、と悔まれる。この写真の中にはSlains城の窓から海を望む写真もあり、Sophiaがいつもこの海を見てフランスからの船を待っていたこと思い出し、また切ない想いが甦ってきた。

オリジナルタイトルは “The Winter Sea”

 



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Iron House / My Way Home [英語多読]

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                                                                                 May 13, '12 / iPhone camera

5月も半ばというのに肌寒い日が多く、未だに暖房器具のお世話になったりしている。

先日、隣町へ出かける道中で満開の菜の花畑を発見!! 田んぼ6枚分位だろうか、とにかく黄色一色。新緑の山に映えてとても美しい。珍しく陽も差して、 眺めているだけでとても幸せな気分。菜の花には香りもあるということも発見。思わぬところで春を感じることができた。

義父の13回忌が無事終了。やっと少し落ち着けるだろうか。

今日は久しぶりに多読報告。考えてみたら、ブログをおさぼりしている間に iPad2 が我が家のガジェットに加わって、多読の方も紙ベースからKindle app にシフト。100%その恩恵にあずかっている感じで、もう手放せない。便利な世の中になったものだ。*各作品のリンクは出版本へのリンクで、Kindleへのリンクではありません

Steve Jobs

Steve Jobs

  • 作者: Walter Isaacson
  • 出版社/メーカー: Simon & Schuster
  • 発売日: 2011/10/24
  • メディア: ハードカバー

英語多読796冊目。電子書籍デビューはこの本で、と決めていたので。彼が、早いころから何故あそこまでストイックな生活に自身の身を置いていたのか。親に捨てられた、と思う子供の心には消えない傷が残るということ。ジョン・レノンとも共通するものがあるよう。

Iron House

Iron House

  • 作者: John Hart
  • 出版社/メーカー: John Murray Publishers
  • 発売日: 2012/04/01
  • メディア: ペーパーバック
810冊目。Hartの第4作。 孤児院から脱走し裏社会で生きてきたMichaelが、愛する人に出会い組織から足を洗おうとするところから話が始まり、次々に事件が起こる。出だしからストーリー展開が早く、一気に引き込まれる感じで面白いが、終盤の謎解きが尻すぼみで、あまり説得力が無い。Hartの得意とする人物描写も、今回は個性派キャラクターが多すぎたせいか、掘り下げが甘いように思われる。前作 "Last Child" が良かっただけに期待も大きかったのだが、ちょっと残念。

My Way Home

My Way Home

  • 作者: Cynthia Lee Cartier
  • 出版社/メーカー: Iuniverse Inc
  • 発売日: 2009/01/07
  • メディア: ペーパーバック
812冊目。幸せだと思っていた結婚25年目の妻Cammyに、夫が突然離婚してほしいという。ショックからなかなか立ち直れないCammyを気遣う友人達が、彼女が昔から憧れていた島への旅行を計画。そこで彼女は新たな人生を始めることに…、とここまでは特別珍しいストーリーではないが、Cammyの再出発には様々なドラマがあって、その先に彼女にとっての本当の「家」があるというお話。夫婦・親子・友人との関係の在り方、「家」に対する思い入れ等、色々考えさせられる。読み終わった後も長く余韻が残る心温まる作品だと思う。Cammyの憧れの島 St.Gabriel島の四季の描写も素晴らしく、ユーモアもある文章だった。
そもそもこの作品に出会えたのもKindleのおかげ。それもUS$2.99という安さで(価格は変動します)。読み終わって気付いたことー自分も結婚25年目。このタイミングでこの作品に出会ったのも何か意味があるのかも。また時々は読み返してみたい作品だ。


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再会 [英語多読]

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ちょっとだけ省エネモードで、のつもりがいつのまにか長期休止状態に。あっという間に夏も終わろうとしている。水害・花火・家族の体調不良等、色々なことがあったが、過ぎてしまえば何だかずいぶん前のことのようにも思える。

英語多読を始めてもうすぐ8年目を迎える。読みたい本がいつも大量に控えていて、ひたすら読み進んできたが、この夏は「いつか読み直したい」と思っていたお気に入りの小説を読むことに決めて、まずはJudith McNaughtを読むことにした。山積みの段ボールからやっと見つけることができた彼女の作品は11冊。大好きなキャラクター達と念願の再会を果たす。再読して確信したのは、やはり "Paradise" のヒーロー Matthew Farrell が一番魅力的なキャラだということ。自身の才能と骨身を惜しまぬ努力で産業界の大物になった彼の行動力、一方で過去に心ならずも失った愛を取り戻そうとする一途なところが上手くミックスされていて、いつの間にかすっかりお話の中に引き込まれている。

こんなカリスマティックな人に出会ってみたいものだ、などと思いを廻らしつつウォッカをいただくのがここ最近の夜の楽しみでもある。スコッチ好きのMattだが、ウォッカはStoli (Stolichnaya) 派のよう。ストレートか、ロックだろう。こちらはそうお酒に強くないのでSmirnoffを Moscow Mule で。タンブラー片手に、心はどっぶりとお話の中へ。Mattのペントハウスの大きな窓からChicagoの街を見下ろしている気分になりきっている。

McNaughtの新作をずっと待っているが、もう何年も出していないよう。書くのをやめてしまったのだろうか?ファンとしてはまた新しいストーリーを是非書いてほしいけれど。



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The Last Child [英語多読]

 

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天気予報に反して今朝は晴れ間が覗いたので、慌ててウォーキングへ。本日も7kmコース。新しく入れ替えたGPSメジャーにもだんだんデータがたまってきてやりがいがあるというもの。雪が降るまであとどの位続けられるだろうか。

先日でSSS式多読を始めて7周年となり、"The Last Child" 755冊目で8年目に突入。最近は長編も多く、ペースもやや落ち気味だが、めざせ1000冊??!! ということで、多読報告752~755冊目まで。

The Last Child

The Last Child  by John Hart / Thriller suspense

Hartの3作目。前作の"Down River" も良かったが、今回も期待を裏切らない出来栄え。

主人公Johnnyは13歳。一年前に双子の妹Alyssaが誘拐されて、幸せだった家庭は崩壊してしまう。出て行ってしまった父、酒とドラッグに逃れ街の有力者の愛人になってしまった母。生活は苦しく、家を訪れる母の愛人からは虐待を受けながらも、JohnnyはAlyssaが生きていると固く信じて地図を片手に一人捜索を続ける。そんなJohnnyを遠くから心配している人がいた。Alyssaの事件を担当した刑事Huntだ。彼も事件のために人生が一転しまった一人。Alyssaを生きて取り返せないでいることで夜も眠れぬ日々を過ごしている。そんな夫の姿に耐えられない妻は家を出て行ってしまう。家に残った一人息子とも上手くいかない。そこにまたも誘拐事件が発生する...。

心理描写の上手さは彼の得意なところだが、今回も読み応えがあった。Alyssaを見つければ父も家に帰ってくるし、母も元通りになり幸せな生活に戻れる、と固く信じる子供ならではの一途さに胸が詰まる。Huntの、どんな形にせよ親の元に子供を返してやりたい、という刑事としての葛藤も身に迫るものがある。登場する各家庭の親と子の関係などもとても良く描かれている。

読み終わってタイトルの "The Last Child" の意味を考えると、色々に解釈できるように付けられていることに気づいた。事件のkey pointさえも表わしている。読了した読み手が、「あぁ、そういう言う意味もあったのか」と思わず言ってしまうように考えられたタイトルなのだ。作者の意図にまんまとはめられてしまってちょっと悔しい気もする。次回からサスペンスを読む時はタイトルにも気をつけなければ。お話はすでに表紙から始まっているということ。

Wicked All Day by Liz Carlyle

 

The Wedding Challenge (Matchmakers)   

The Courtship Dance (The Matchmakers) by Candace Camp

The Matchmakers シリーズ3巻・4巻。


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大先輩 [英語多読]

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一時的な寒気らしいが、とにかく寒い。真冬の身支度をして暖房もON。あの爽やかな秋の空気はどこへ行ったのだろう。コスモスもバラも何だかずいぶん遠いことのような気がしてしまう。

今回は多読の番外ということで和書のご紹介。

大先輩である知人が本を上梓された。今までも何冊か出版されておられるが、その都度著書を届けていただいている。新潟県、特に地元中越地方の食文化を中心に研究をされている。古い文献を読み解き、そこから当時の人々の生活を読み取っていく。一朝一夕にはできないことで、日々のたゆまぬ研鑽の成果が本の中に凝縮されているということである。そう考えると、毎回いただいたご本の扉をめくる時は背筋を正して読ませていただかなくては、と思う。人生のお手本となる立派な先輩があり、時折はお話をさせていただく機会があるにもかかわらず、無駄な日々を過ごしていることを猛省せねば。私のようなこれといって才能もない凡庸な人間でも、それなりに毎日の地道な努力の積み重ねが大事ということ。当たり前のことのようだが、なかなか難しいことでもある。

今回の著書はこちら。

『柏崎日記』に見る食風景―幕末下級武士の喰倒れ日記 『柏崎日記(抄)』本文訳注

『柏崎日記』に見る食風景―幕末下級武士の喰倒れ日記 『柏崎日記(抄)』本文訳注

  • 作者: 田中 一郎
  • 出版社/メーカー: 新潟日報事業社
  • 発売日: 2010/08
  • メディア: 単行本

伊勢桑名藩が、新潟県内に持っていた飛び領地を管轄するため柏崎に「柏崎陣屋」を構えていたが、そこに勤務していた渡部勝之助の日記から江戸時代の生活を見ていくというもの。9年間にわたる日記で、三重県の重要文化財に指定されているそう。少しずつ読み進めているが、後半の日記本文の部分をパラパラと見ていると、キノコ採りに行ったことや味噌づくりをしたことなどが書かれており、なかなか面白い。海と山両方の幸に恵まれた柏崎で、勝之助達が何を食べていたのか、興味津々、先を読むのが楽しみだ。


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The Shadow of the Wind [英語多読]

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肌寒くなってきて、家の中でも居場所が無い感じ。冷たい麦茶から、朝一番にお湯を沸かして熱いお茶を入れる生活に戻る。あの暑さがうそのよう。

秋の夜長にピッタリの名作に巡り合った。多読報告749~752冊目。

The Shadow of the Wind

The Shadow of the Wind by Carlos Ruiz Zafón

原作はスペイン作品 英訳版。

舞台は、第2次大戦直後のバルセロナ。10歳になったDaniel は古本屋を営む父に連れられ " the Cemetery of Forggoten Books" (忘れ去られた本の墓場)を訪れる。そこは秘密の場所で、そこに行ったこと・そこで見たことは決して人に話さないと父に約束させられる。さらに父は、そこにある膨大な数の本の中から自分の気に入った本を1冊選び、一生涯その本を大切にするようにとDaniel に言う。そしてDaniel が選んだのが "The Shadow of the Wind" 。家に持ち帰り早速本を読んだDaniel はその作品に魅了されてしまうが...。その本との出会いが彼の運命を変えることになる。

ミステリアスなストーリー展開に、読者はあっという間に物語の中に引き込まれて、Daniel と一緒にバルセロナの裏路地を真実を求めてさまよっている感じに。怒りと過去にとらわれた人達がどんどん破滅への道をだとり、やがてDaniel 自身の人生とも交差する。絶望の果てに見えてくるものは、無償の愛。その惜しみない愛を与えられているものにのみ希望がもたらされる。

物語の素晴らしさもさることながら、季節やバルセロナの街の描写がなかなかいい。思わず戻って読み返してしまう表現もたくさんあったが、考えてみれば英訳本なので、原作のみならず翻訳も素晴らしいということになるのだろうか。こういう作品に出会うとつくづく「原作で読みたい!!」と思うのだが、英語一つも満足ではない状態ではとてもスペイン語までカバーできず、残念。

バルセロナはいつか機会があったら行ってみたいところの一つ。今回の作品でも、この町の持つ力というようなものが一つの要素にもなっている。そういえば友人の中で「バルセロナでプロポーズされた」という人が2人いる。独特な雰囲気があるそう。2人のうちの1人はアメリカ人なので、その独特な雰囲気に心動かされるのは日本人だけではないということのようだ。私も若いうちに行っていたら人生変わっていた??!!

Lover Avenged: A Novel of the Black Dagger Brotherhood

Lover Mine (Black Dagger Brotherhood Series)  Lover Avenged: A Novel of the Black Dagger Brotherhood

 Lover Mine (Black Dagger Brotherhood Series)  

by J. R. Ward / Paranormal

"The Black Dagger Brotherhood" シリーズ7・8巻。

大好きなバンパイアシリーズ。毎回様々な過去・重荷を背負うヒーロー達が登場するが、今回の2人も過酷な運命を生まれながらに背負っている。このシリーズの面白いところは、今までの作品のヒーロー達がずっと登場し続けるところで、そういうシーンでは古くからの友人にあったような感じがして、思わず嬉しくなってしまう。あらたなメンバーも加わり、まだまだお話は終わりそうにない。次が楽しみ。

Wicked All Day

Wicked All Day by Liz Carlyle / Historical

シリーズとはうたっていないが、こちらも登場人物と人間関係がずっと継続している作品。今回からは以前の主人公達の子供世代にお話が移っている。自分でメモ代わりに付けている家系図も、ここまで広がってくると手がつけられない状態だが、まだメインキャラクターのGeorgeのお話が登場しないので、こちらも続きがあるということのよう。


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Whiteout [英語多読]

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一向に暑さがおさまる様子はないが、日が暮れるのは早くなって秋の気配も。

8月だからなのか、お盆を過ぎても何かと忙しく、あっという間に時が過ぎで行くよう。この暑さなので、用事の無い時は家の中の涼しいところでひたすら本を読んでいる。軽めの作品を選んで、久々にかなりのハイペースでストックをを消化中。ということで、本日は多読報告。744冊目~748冊目。

Whiteout

 Whiteout by Ken Follett / Crime suspense

研究所でアンチウィルスを開発中の父と、借金返済のためそこに保管されている危険なウィルスを盗もうとする息子。そして、研究所のセキュリティ責任者の元女刑事。ハイテクを駆使したセキュリティで守らているはずのウィルスは、以外にもあっさりと盗み出されて舞台は父子の家へ移り、家族間の葛藤??がメインになるという予想外のストーリー展開に。

タイトルのwhiteoutは猛吹雪の意味で、クリスマスの日のスコットランドが猛吹雪に見舞われるという設定なのだが、それを真夏に読むのはちょっとミスだったかな、と。除雪車出動とか、前も見えないほどの吹雪といった描写も、今の時期一つピンとこない。今後はシーズン物と分かっている場合はそれを考慮して読むべし、という教訓に。

What Happens in London by Julia Quinn / Historical 

 

Ravishing in Red

Provocative in Pearls by Madeline Hunter / Historical                    Rarest Bloom シリーズ12

 

Married by Morning (Hathaways) by Lisa Kleypas / Historical             Hathaways シリーズ4巻。

    

 

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Millennium series [英語多読]

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毎日はっきりしないお天気が続いているが、先ほどからはかなり激しい雨に。

  ここのところ来客が続いているので、せっせとグレープフルーツゼリー作りに励んでいる。いただきもののイタリア産はちみつを使って甘さは控えめに。この時期は冷たいものをお出しした方が喜ばれるようで、結構好評。いつもルビー種を使用ししているが、黄色と二色づかいも良いかもしれない。

  さてさて....久しぶりに多読報告。転居後忙しく、読書時間が減ったのと、大作だったことでかなり時間がかかってしまったが、文句なしのエンターテイメントだった。741冊目~743冊目。

  

 

The Girl with the Dragon Tattoo

The Girl Who Played with Fire The Girl with the Dragon Tattoo 

 The Girl Who Played with Fire 

The Girl Who Kicked the Hornets' Nest 

 

 by Steig Larsson / Crime suspense

 Millennium saga 三部作。原作はスウェーデン。本作はその英訳。

 ネタばれになるのでストーリーについては触れられないが、とにかくすごい作品だった。まず キャラクター設定が素晴らしい。特にヒロインLisbethは犯罪小説史に残るキャラクターになると思う。まだ若くて、華奢な彼女が、psychopath・sociopathのレッテルを貼られて世間からはじき出されながらも悪 1人果敢にチャレンジしていく姿には凄まじい迫力がある。一方ヒーローのMikaelは、どんな圧力にも屈せず悪を追求する2枚目のジャーナリストで、まさに 「ヒーロー」。この主要な二人を中心にたくさんの人物が登場するが、みな個性的でキャラクター設定がよくできている。そして、そのキャラクター間の距離感の描き方がまた上手い。それぞれが繋がってはいるが同時に個人個人独立しているという微妙な距離感がリアルで、描写が秀逸。

ストーリー構成も素晴らしく、緻密に積み上げられたプロットに矛盾がない。性的虐待・暴力に対する作者の姿勢もはっきりと読み取れる内容になっている.。  The Girl Who Kicked the Hornets' Nest 5部作になる 予定だったが、作者Larssonの急死により3部作となったそうである。Larsson 自身の本が出版されたのを見ることもなく、その後「ミレニアム現象」と呼ばれる大ヒットを記録したことも知らないわけである。3巻の最後は新たな展開を予想させる終わり方だっただけに残念。 1作目は既に映画化されいて、スウェーデン映画としては珍しい大ヒットとなったそうで、2と3が今秋連続 公開されるとのこと。ハリウッド版リメイクも検討されているとの話も出ている。映画も見てみたい気持ちはやまやまなのだが、原作では結構バイオレンスシー ンが多かったので、映像で見るのはちょっと勇気がいるかも…

Millenniumの前、引越前後に読んでいたのは下記3冊。ずいぶん時間が経ってしまったので、記録のみ。738~740冊目。

The Time Traveler's Wife  by Audrey Niffenegger

Twilight of a Queen: A Novel by Susan Carroll

Tempt Me at Twilight by Lisa Kleypas

  

 

  

 

 

 

 

 


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