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To Desire A Devil [英語多読]

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昨年末から、自分にしてはハイスピードで走って来た。

気が付いたら、外はもうすっかり春の気配。

そう思ったとたん、ずっと悩んだり考えたりしてきたことに

少しだけだが答えが見えたような感じ。

アプローチ変更は必要かもしれない。

でも目指していた方向は間違っていない、と再認識できた。 

息切れして「もう休もう」ということになるかと思いきや、以外にもまだまだ余力もあるよう。

軌道修正しつつも、もうしばらくこのペースで走り続けよう。

 

本日も多読報告。久しぶりに古巣の18世紀ロンドンに戻って、737冊目。

To Desire a Devil (The Legend of the Four Soldiers)

To Desire a Devil (The Legend of the Four Soldiers) by Elizabeth Hoyt / Historical

The legend of the four soldiers series4巻・完結編。7年前のアメリカSpiner's Fallの戦いで、壊滅的な敗北の中かろうじて生き延びたヒーローたちが、自軍(イギリス軍)を裏切り、フランス軍に情報を売った裏切り者を探すお話。今回のヒーローは、戦いの後他の捕虜たちの目の前で生きながらに火刑にされたReynaud。死んだはずの彼が、7年後突然家に戻ってくるところから話が始まる。やっと生き延びて家にたどり着いた彼だが、父の亡き後、自分の継ぐはずだった伯爵領は遠縁のものが継いでいて、その地位を取り戻す戦いから始めなければならなかった。一方前作までの3人のヒーローが彼の帰還を知ってロンドンに集結。4人で団結し、裏切り者を探し出す決意を新たにするのだったが…。

今回のヒロインは、Reynaudの代わりに後を継いで伯爵になったReggieの姪Beatrice。叔父とともに家に入った時から、居間の一つに飾られているReynaudの肖像画に恋し続けていたのだが、戻ってきた本人は全く別人であるかのようにすっかり人間が変わっている。7年間彼の耐えてきた苦難を思い、孤児になった自分を娘同様にかわいがってくれた叔父との間で悩みながらも献身的にReynaudを支えようとする。

4人のヒーローが集まって、いよいよロンドンを舞台に大活劇!!と思ったら、敵は小者であっさりとかたが付いてしまい残念。女性陣ももう少しキャラクターに変化が欲しい感じだった。今夏には作者の新シリーズがはじまるよう。そちらに期待しましょう。


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米沢牛 / Deception Point [英語多読]

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「米沢牛1万円相当」に当選。

家人が長年愛飲の某アルコール飲料のキャンペーンに応募し、当たったもの。立派な証明書付きの焼き肉セットが送られてきた。早速解凍していただく。まずいわけがない。柔らかくてジューシー。結構なお味でした[レストラン]

健康診断が終わったばかりとはいえ、美味しいものを食べたらその分動かないといけません。ウォーキング4kmを2日。1回200Kcal位のものですが、やらないよりはいい。試験勉強のため、しばらく体を動かしていなかったので、気分的にもすっきり[グッド(上向き矢印)]。これで一層勉強に身が入る?!

本日も多読報告。「ダ・ヴィンチコード」のダン・ブラウン、2001年の作品。736冊目。

 

 

Deception Point

Deception Point by Dan Brown / Thriller suspense

大統領選を控え、現職と有力対抗候補の論点はNASAの処遇について。NASAの有用性を信じ、保護する大統領に対し、次期候補は民営化による予算削減を選挙民に訴える。ここのところ失態続きのNASAに、大統領の立場は圧倒的不利と思われている。そんな中、NASAにより歴史を覆す大発見がなされる。新発見の信憑性を高めるため、科学者を含む5人の外部者が大統領自らの選定により現地に送られる。その5人の分析でも発見の信憑性は確実に見えたが、思わぬことからデータの瑕疵が判明。真実を伝えようとする5人は命を狙われることに…。

壮大なでっち上げ計画の真のリーダーは誰か?目的は?と、まさにPage-turner。複数の場所での出来事が、チャプターの切り替えにより同時進行的に語られ、まるで映画を見ているよう。ホワイトハウスはもちろん、政府系の各機関が最新のテクノロジーと情報網を駆使するさまは、まんざらフィクションとも言えず、実はそれがこのお話の一番恐ろしいところでもある。一度ターゲットになったら、地球の裏側にいても逃げられない。テクノロジーの進歩が作り上げている網の中に、知らぬ間に我々が取り込まれているということ。

洋書では表紙のみならずあちこちに各新聞や雑誌の書評が宣伝代わりに掲載されているが、今回のレビューの中に

"A taut, fast-paced, burn-burner of a book." ~St. Petersburg Times (FL)

というコメントが引用されていて、思わず笑ってしまった。Page-turnerをもじった表現だろうが、burn-burner とはいささかぶっそうな??感じ。レビュアーも文学的表現に苦労しているよう。

 


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Summer of Two Wishes [英語多読]

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先週末の夕食会は盛り上がりました。たくさん飲みましたね~[バー]、あれこれワインを試して。男性陣の最後は琉球泡盛でとどめの一撃?!。私も家人も相当酔っていたようで、食事中に撮った写真を後から見たら、ほとんどボケていて使い物にならないものばかりでした[がく~(落胆した顔)]。「また飲みましょう!!」という話でまたまた盛り上がって散会。たくさんおしゃべりをして楽しい一夜でした[かわいい]

さてさてずいぶん前に読み終わっていた本があったのです。忘れないうちに…英語多読報告735冊目。

Summer of Two Wishes

Summer of Two Wishes by Julia London / Contemporary

3年前に従軍中の夫を亡くしたMacyは、なかなかショックから立ち直れずにいたが、Wyattに出会い結婚し、新たな人生のスタートを切る。そこに亡くなったはずの夫Finnが生きていたとの連絡が入る。彼はタリバンに拉致され3年間監禁されていたのだった。Finnが過酷な監禁生活を耐えることができたのは、Macyに会いたいという気持ち、自分の人生をかけて作り上げた牧場に戻りたいというその2つだった。やっとの思いで故郷に戻ると、愛する妻には新しい夫がいて、自分の牧場は人手に渡ろうとしていた。一方世間の関心はMacyがどちらの夫をとるか、ということ。2人の夫の間で悩むMacyが出した結論は…。

お馴染みの作家なので、いつもの19世紀ものの続編だろうと読み始めたら…アフガニスタンとかタリバンとかいう話がいきなり始まって、ちょっとびっくり。巻末に作者のインタビューがあり、彼女が本作を書いた理由が語られている。9・11の後、たくさんの一般人が「国を守るため」軍に入隊。作者Londonの身近な人の中にも大勢いたそうである。そういう人たちがたとえ無事に帰国したとしても、以前のままの生活に戻れるかというと実はそうでないケースが多いそう。環境が変わっている場合もあるし、本人の精神的な変化も当然あるわけで、本作でもFinnがPTSDに悩むシーンが描かれている。なかなかニュースを見ただけでは伝わってこない事実を知るには良い機会だったが、作者の意図がそういうことにあるなら、もう少しそちらに重点を置いた内容の方が良かったかもしれない。最後は、2人の夫がそれぞれつらい状況を乗り越えて「愛する彼女の行きたい道を歩かせてあげたい」という思いが際立ち、さわやかなエンディングになっている。


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Down River [英語多読]

IMG_0222.JPG「ナントカの法則」じゃないけれど、2か月前TOEICテストに申し込みをしたとたん身辺忙しくなった。日頃はあまり縁のない忘年会にあちこちから誘われ、そのうち年末の支度に追われて12月は終了。1月に入ってもあれこれ雑務に振り回され、試験日まであと9日となったが、その状態は変わらず。本来12月に来るべき大量の翻訳仕事が今頃届くし、今週末は遠方に住む姪が遊びに来るという。しかし日ごろからやっておかない自分が悪いことは明白なので、どこに当たるわけにもいかず。で、今頃あわてて模試にチャレンジしてみたら ― 内容の出来不出来以前に集中力が続かない!! やってる途中で面倒臭くなって「もうどうでもいいっ~」となる。TOEICは時間との勝負なのに最悪。どうしよう~[がく~(落胆した顔)]

唯一の楽しみはやっぱり食べること。お勉強のために「脳みそにちょっと栄養をやらないとね!」などと言い訳をしつつ、本日は白玉ぜんざい。不思議です - 子供の頃、あんなにあんこが嫌いだったのに。今ではご近所のお団子やさんから小豆を炊くにおいがしてくると無性に食べたくなります。

お勉強しなくちゃいけないのに、今年はどういうわけかお正月から良い本に当たり続けていて、読書時間は減らせません。多読報告、734冊目。

Down River

Down River by John Hart / Thriller suspense

エドガー賞受賞作。

無実の罪をかろうじて免れた主人公Adamは、いたたまれずに誰にも行き先を告げず町を出る。5年後、彼の居場所を突き止めた親友から「戻ってきて助けてほしい」という電話があり、迷った末故郷に戻ってくるが、5年の間に町も人も変わっていてる。そして彼の周りではまた次々と事件が。今回は逃げることなく正面から事件に立ち向かうことを決意するAdam。

サスペンスというより重厚な人間ドラマになっていて、読み応えがある。8歳のAdamの目の前で自殺した母の自殺の真相、Adamと父との確執、5年前Adamを殺人犯として証言台に立った継母や義理の妹弟との間の深い溝、町を出る時一緒に来ることを拒んだ元恋人。それぞれの人にはそれぞれの理由と想いがあり、5年間苦しんだのは彼だけでは無かったということが少しずつ明らかになっていく。後半はテンポよく事件が動いてpage-turner、一気に読めてしまう。

"Down River should settle once and for all the question of whether thrillers and mysteries can also be literature."  ~Publishers Weekly (Starred Review) 「ミステリーは文学作品にもなりうる」という評論が巻頭に引用されているが、まさにその通りの作品だと思う。本作は作者Hartの2作目だそう。次回作も楽しみ。


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Silas Marner / A Wrinkle in Time [英語多読]

DSC01821.JPG三連休中日の10日は、十日町市の節季市に出かけ縁起物の「ちんころ」をgetの予定で目覚ましをセット。しかし当日早起きはしてみたものの、寒い中ロングドライブして長蛇の列に並ぶ気力が無く、あえなく断念。

代わりに午後から新潟市へ。色々用を足したいことがあったので。休日のせいかどこに行っても混雑していて待たされることばかり。日頃静かに生活しているので、人ごみの中にいるだけで疲れてしまった。まぁそれでも世の中どんどん変化しているので、たまに人に揉まれたり新しい物をみたりするのも刺激になるというもの。帰りが遅くなったので、デパ地下で調達してきたお惣菜盛り合わせで夕飯は終了。

←柿安ダイニングのパスタとサラダ:使用されている食材が豊富で、どちらもなかなか家では作れない味。結構なお味でした[レストラン]

ちなみにこちらが「ちんころ」。(昨年の写真です)↓

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今年最初の多読報告。どちらも感動の名作で、今後の人生の糧になる作品でした。732冊目~733冊目。

Silas Marner (Penguin Classics)

Silas Marner (Penguin Classics) by George Eliot

親友と思っていた人の裏切りで無実の罪に問われ婚約者まで奪われたSilasは、故郷を捨て遠い村に移り住む。村はずれの一軒家に住み、人との交流も絶ち、ただひたすら機織りに精を出す毎日を送る。そんな彼の唯一の楽しみは、少しずつたまっていく硬貨を毎晩眺めること。そうした生活を15年間送ったある日、そのお金が盗まれてしまう。心のよりどころを失ったSilasだが、そのお金と入れ替わるように、近くの道で生き倒れになった女性の幼い娘が彼の家に迷い込んでくる。孤児となったその子を育てるのが自分の使命と固く信じ込むSilasは、Epiと名付けたその子供を通して人との関わりを取り戻し、封印していた過去の記憶を解放できるようになり、孤独で誰をも信じる事の出来ない生活から復活する、というお話。

生き倒れになった母の胸から、Silasの家の開け放たれたドアの向こうに煌めく暖炉の火にEpiが引き寄せられていくところや、Epiと共に春の野に出たSilasが咲き始めの草花を見て、昔母に習った花々の名前の記憶をよみがえらせるシーンなどの描写が秀逸。人はまっすぐ前を見て歩き、正直・勤勉に生きていれば、かならず正義は行われる、ということ。

作者Eliotについては苦い経験が。名前がGeorge(ジョージ)なので、かなりの年になるまで「男性」だと思い込んでいた。男性名を使わなければならなかった時代に生きたEliotが、今の男女同権を知ったらどう思うだろうか。

 

A Wrinkle in Time (The Time Quartet) A Wrinkle in Time (The Time Quartet)  by Madeleine L'Engle / Juvenile

ニューベリー賞他受賞作。Time Quartet 第1巻。行方不明になっている科学者のお父さんを探しに宇宙を旅する姉弟のお話。出版されたのが1962年なので、当然まだ携帯電話や家にPCやが無い時代に書かれたSFなのだが、今読んでも全く古さを感じさせない。児童書ながら、扱っているテーマは深く、それに対し上辺だけではなく真面目に答えていこうとする姿勢が素晴らしい。家族に対する愛情なども良く描かれていて、まさに「愛と勇気」の物語でもある。子供達に「伝えたい思い」もいっぱい詰まっている。素晴らしい作品でした。

実は5年も前に購入して、以降我が家の書棚の奥に追いやられていた本。もっと早くに読むべきだったかな。4部作ということで続編があるようなので即発注。キャラクターがクロスする別シリーズもあるらしい。いずれは全作制覇?!

 


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Sun Catcher / a Failed Grown-Up [英語多読]

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クリスマスプレゼント[プレゼント]に面白いものをもらいました。最初は何か良く分からずにクリスマスツリーのオーナメントかな?と。「きれいだね~」と眺めてはみたものの、結構重いし、どこに下げようか迷って結局箱に戻していました。もらって3日もたってから、実は"Sun Catcher" という風水グッズのようなものだと判明。窓辺につるして、太陽光を部屋の中に取り込むことで、エネルギーを呼び込むものだそう。早速下げてみるとーすご~い[ひらめき]部屋中七色のプリズムで一杯になりました[ぴかぴか(新しい)]。もちろん本体もキラキラしてきれい。小さな子供のように口をあんぐり開けて、ただただ揺らめく光を眺めて楽しんでいます。これからの季節、曇天と雪の合間のわずかなお日様を逃すことなく浴びられそうな気がします。いや~、いいなぁ。幸せな気持ちになれます。

今月は忙しくて、1冊読むのにだいぶ時間がかかってしまいました。多読報告731冊目。

Confessions of a Failed Grown-up: Bad Motherhood and Beyond

Confessions of a Failed Grown-up: Bad Motherhood and Beyond by Stephanie Calman / nonfiction

タイトルを見て即買い。"a failed grown-up" とはまさに「私のことだわ!」と思ったから。この場合は「大人になれない私」とでも訳すとぴったりか。「親の葬式も出したし、子供も2人生んだけど、一向に大人になれない」イギリス人主婦である作者の毎日の生活を綴ったエッセイ。とにかく面白くて、毎日次々と起こる家庭内のあれこれに、思わず "Me,too! (私も!)" と共感できるシーンが一杯。そもそも「大人になる」というのはどういうことなのか?結婚するのも子供を産んで親になるのも特別な資格が必要なわけじゃない。でも誰もがそれにふさわしい「大人」になっているとは限らないというのが彼女の意見。

"Pherhaps it should be like Kumon maths: you can't move on next stage until you've mastered the previous one."

人生は「公文式」みたいに一つのステップをクリアしないと次に行けないようになっているべきじゃないの?と。う~ん、確かに!!でももし本当にそうだったら自分は一体何年生位なんだろう、考えるのも恐ろしい…。

夫婦間の不満や子供とのやり取りは日本もイギリスも同じ、というところもあれば、違う所もあり、他国での生の日常生活を見ることができる。その分固有名詞や口語表現満載で、英語はちょっとむずかしめ。でも、話の内容は容易に想像できるので、読み進められます。

購入後に知ったのだけれど、本作の前に "Confessions of a Bad Mother" という本が出版されていて、著者により"Bad Mother Club" というウェブサイトも運営されている。コメンテーターとしても活躍しているようで、彼女の出演しているTV番組もネットで見ることができた。バリバリのインテリ風の人かな、と思いきや、ご近所に住む元気なおばさん(ごめんなさい!たぶん私より若いと思うけど)という感じで、とても好感が持てるキャラクターでした。彼女のこのConfessions(告白)シリーズはまだまだ続いて行く感じ。楽しみです。

 


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OF MERCHANTS & HEROES / Lord Perect [英語多読]

IMG_0217.JPG映画「2012」を見に行ってきました。TVでトレーラーをちらっと見ただけで、予備知識はほとんどゼロ。実は、中学生の甥が主演のジョン・キューザックに良く似ているので、我が家ではキューザックのことを「トモヒロ」(甥の名前)と呼んで、関心を持っています。で、トレーラーを見て「おぉ、トモヒロが新作に出ている!見に行かなきゃね。」ということに。

お話の方は、マヤ暦の「2012年に地球が滅亡する」という予言が実は科学的にも根拠があって現実になっていく、というディスアスタームービー。特撮シーンの迫力がすごくて、次から次に色々なことが起こり息をつく暇もありません。そういう点では、TVじゃなくて映画で見て良かったかな、と。ただ、途中のいきさつとか結末には「ちょっとねぇ…」と言う感じでした。こういう映画を見るたびに毎回思うことですがー私なんかは運動神経・体力・サバイバル力すべて「皆無」なので、何か起きた時一番最初にわけもわからないまま死んで行く部類の人間だろうな、ということ。まぁ、その方が幸せかもしれないけれど。こんなことが本当に起こらないことを祈りましょう。

エンディングロールの一番最後の方に "This film is based on Graham Hancock's 'Fingerprints of the Gods'." とあって、ドキリ!10年くらい前にハンコックのこの「神々の指紋」の本を買ったはずなのに読んでいないことに気づいたから。あの本はどうなったんだろう?転勤族なので引越しのドサクサでとこかに紛れ込んでしまったよう。狭い我が家でしばしば起こるミステリーの1つです[ふらふら]

今日はついでに多読報告。729~730冊目。

Of Merchants and Heroes

Of Merchants and Heroes by Paul Waters / Historical

紀元前200年頃のローマ・ギリシアを舞台に、第二次マケドニア戦争でローマ軍がマケドニアに勝利するまでを描いた作品。実在の人物・史実に架空のキャラクターがうまく組み合わされている。

14歳のローマ人主人公Marcusは船旅の途中で海賊に襲われる。一緒だった父は彼を守るため自らを犠牲にしMarcusを逃がす。故郷に逃げ延びた後、乗船していた人は自分以外すべて海賊に殺されたことを知った彼は、神に復讐を誓う。その一方で、亡くなった父の代わりに家族のため一生懸命働きながらも、ローマ人だけでなくギリシャ人や他国の尊敬できるすばらしい友人達と次々に出会う。やがてマケドニアがギリシャに侵攻。助けを求められたローマはマケドニアと開戦。理想と正義に燃える若きMarcus達は、友情に支えられ共に戦い、最後は勝利を手にする。そして宿敵の海賊とも運命に引き寄せられるように対決する日が来る。

紀元前だが、すでに共和制にのっとった政治がおこなわれており、社会的にも文化的のもかなり進んでいたことが良く分かる。少年だったMarcusや友人達が、数々の困難にあいながらも熱い理想を持つ青年になり、やがて理想どおりにはいかない現実を知る大人に成長していく姿が良く描かれている。当時の市民の生活ぶりなども知ることができ面白い。

本作は作者Watersの小説デビュー作とのこと。今後もこの時代あたりの作品を書いてくれることを期待。

Lord Perfect (Carsington Family Series)

Lord Perfect (Carsington Family Series) by Loretta Chase / Historical

Carsington Quartet3巻。以前ご報告の通り、他3巻は読了済み。何故かこの3巻だけは入手が困難で、手元に届くのに数か月かかった。父であるHargate卿に「こんなにたくさん男の子はいらなかった。どうせなら娘の方が良かった。」と言わせる放蕩息子達の話が他の3巻だが、本作の主人公Benedictは長男で、弟達とは違ってまさに "Perfect" な息子。亡くなった妻方の甥を預かって育てているが、その甥が知人の娘と一緒に海賊の宝を探しに家出をしてしまう。少女の母親である未亡人Bathshebaと一緒に子供たちを追いかけることになるBenedictだが、2人の間には初めて会った瞬間から愛が芽生えて…。

本作では父Hargate卿の出番が多く、いい味を出している。パーフェクトだが、いつの頃からか笑う事のなくなった息子のことをずっと案じていたのだった。厳しいだけの父と思っていたBenedictも、そんな父の思いを知り父子の絆は深まる。

5人兄弟なのに、どいういうわけか二男の話は無いようで4巻で完結。個性派揃いの面白い家族だったのでちょっと残念。


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love the one you're with [英語多読]

TOEIC.jpg来年1月実施のTOEICを受験することにして、今日申込書を投函。4年ぶりの受験。もう受けるつもりもなく過ごしてきたが、やはり何か目標が無いと日々の勉強も(あまりしていないけど)漫然となり、モチベーションの維持も難しいもの。ちょっとしたきっかけが与えられたのをチャンスに受験することに決めた。で、古い参考書を引っ張り出してみる。TOEIC用の勉強なんていうのもつまらないので、遠回りなようでも全体的な底上げを図れる方向で学習計画を立てたいと思うが、直前になるとたぶんそんな悠長なことも言っていられないかなぁ。まぁ、とにかく毎日少しずつでも何かしら積み重ねていくことにしましょう。それで弾みがついたら、2月のほんやく検定もチャレンジしてみるかな。

ということで本日は多読報告。727~728冊目。

Love the One You're With

Love the One You're With by Emily Giffin / contemporary

Giffinの4作目。いつも表紙がおしゃれですが、今回はちょっと控え目。前3作はシリーズものだったが、これは単作らしい。

主人公Ellenは大親友Margotの兄Andyと結婚し "~ doesn't just seem perfect, it is perfect" という完璧で幸せな毎日を送っていたが、ある日ニューヨークの街角で10年ほど前に別れた元彼Leoとばったり出会う。ライターである彼は、今は写真家としてキャリアを確立しつつあるEllenに大きな仕事を依頼してくる。「彼とは仕事上の付き合い」と自分に言い聞かせつつも、そのことを夫や親友であり義妹でもあるMargotにも言い出せない。やっと忘れたはずだったLeoとの様々な思い出が蘇ってきて、完璧だと思っていた生活が偽善的で上辺だけの幸せに見えてくる。本当の自分の居場所はどこなのか、Leoと夫の間で悩む彼女の出した結論は…。

2人の男性の間で揺れ動く女性の心理がとても良く描かれていて親近感を覚える場面も多いが、その分テーマが少し小さいものにまとまってしまった感がありちょっと残念。

Sapphire Dream (Berkley Sensation)

Sapphire Dream (Berkley Sensation) by Pamela Montgomerie / paranormal

初めて読む作家。タイムトラベルものでした。

アメリカで、早くに孤児になってフォスターファミリーを転々としたBrennna。彼女とを記憶の中の父とを繋ぐものはサファイアのペンダントと「25歳の誕生日にスコットランドに必ず行くこと」という亡くなった叔母の言葉だけ。言われたとおり25歳の誕生日にスコットランドのあるお城を訪れた彼女は17世紀の世界にタイムスリップしてしまう。わけもわからず困惑する彼女だが、周りの人たちは彼女のことをよく知っている様子。運命に導かれるまま、彼女は宿命の敵と対決することに。

Brennnaを助けるべく運命づけられた男Rourkeは暗い過去を引きずっていて、少しずつその秘密が明らかになっていくあたりが本作のメイン。次回作は "Amethyst Destiny" ということで、宝石に秘められた魔法の力のお話は続くよう。


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ベランダから妙高山② [英語多読]

DSC01650.JPG一昨日、お隣の妙高市で「除雪車初出動」と聞いてびっくり。でも今日はよく晴れて、我が家のベランダからも久しぶりに妙高山を見ることができましたが、当然のことながらすっかり雪化粧です。それもずっと下の方まで。(写真←は本日夕方の妙高)まだ11月の初めなのにね~。地元の方もさぞびっくりされたことでしょう。またこれから暖かくなるそうなので一安心ですが、冬に備えていろいろ準備を始めなければなりません。車のタイヤを換えたり、灯油を買いに行ったり。やっぱり暖かい方が良いかな~。

本日も多読報告です。久しぶりにたくさん泣きました。

725~726冊目。

Life on the Refrigerator Door

Life on the Refrigerator Door by Alice Kuipers / contemporary

表紙はポップで軽い感じだが、内容は濃い。数々の賞も受賞している。タイトルの通り、15歳の主人公クレアと医者である母親が、冷蔵庫に貼り付けたメモでのやり取りで全編が構成されている。仕事で忙しい母と、青春真っ盛りで友人やボーイフレンドと出掛けることの多いクレアのすれ違い生活で自然とメモをやり取りするようになる。最初は「これを買っておいてね」とか「鍵を忘れないように」といったメモなのだが、ある日母親が乳がんだということが分かり…。

自分が、あるいは身近な人が病気になった時、どういう精神状態になるのか。幸いなことに私にはまだその経験が無いが、考えるだけですっかり落ち込んでしまうテーマだ。このお話でも、クレアとママは喧嘩をしたり、家を飛び出して離婚したパパのところに逃げて行ったり、なかなか相手に気持ちが伝わらない。だがそれはママを失うのが怖いからで、一方の母親の方も「なぜ私ががんに?」という気持ちばかりで、病気とどう対処していいかわからないからやりあってしまう。それでも簡単なメモのやり取りの中にお互いへの愛情がはっきりと見えて、温かい気持ちにさせてくれる。相手への思いやりや人生の教訓のようなものがシンプルな文章ながらストレートに読む側に伝わってくる。テーマは重いが、決して暗くじめじめした話になっていないのも素晴らしい。とにかく泣けましたーでも、読後感はすがすがしい感じ。メモのやり取りの中に人生を見るというスタイルも今風でとても良い。素晴らしい作品でした。

Don't Tempt Me

Don't Tempt Me by Loretta Chase / Historical

両親と外遊中にメイドの裏切りで白人奴隷としてエジプトのハーレムに売られてしまったZoeは、やっと脱出の機会を得て12年ぶりにロンドンに戻ってくるが、そのスキャンダラスな生い立ちに社交界はばかりでなく実の姉妹達まで眉をひそめる。そんな彼女の名誉を回復すべく手を差し伸べたのは幼馴染のLucien。公爵としての地位を利用し彼女の復権を図るが、お互い惹かれあう気持ちが強く結婚することに。しかし公爵夫人となったZoeの命を狙うものが表れて…。

今回の2人はお互いストレートで素直。かなり後半まで淡々とストーリーは進むが、ラストでLucienが幼い時に両親と兄を相次いで亡くし、唯一心を許していたZoeまで行方知れずになったことで、長い間誰にも心を開くことができなかった経緯が明らかになるあたりはなかなか感動的。今のところシリーズものではないようだが、Lucienの友人などに面白いキャラクターが揃っているので続きができるかも。


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A Moveable Feast [英語多読]

先日で多読6周年となり、7年目に突入。節目の時に何か記憶に残るものを読みたいと思いヘミングウェイを読むことに。10代後半、ずいぶん彼の作品に傾注した。若い頃は背伸びをして難しいものを読みたがったものだが、今思えばはたしてどこまで理解していたかは疑問。彼の作品に限らず、過去に読んだ作品も年をとって読み直してみるとずいぶんと違ってみえるかもしれない。そんな中、今年の夏 "A Moveable Feast" のrestored edition(修復版)が出版されたということを知り、即購入。この作品はヘミングウェイの作品の中でも人気のある作品だが、何故か今までに一度も読んだことが無く、でも、「いつかは読もう」と思っていたもの。久しぶりのご対面にドキドキでページをめくることに…。

ということで、多読報告724冊目。

A Moveable Feast: The Restored Edition

A Moveable Feast: The Restored Edition by Ernest Hemingway

もともと没後出版されたものだったので、本人の同意無く修正された箇所などもあり、そもそもタイトルもヘミングウェイの意図したものでは無かったそうである。それを今回彼の息子と孫がなるべく本人の意思に沿ったものにしたいと修復、出版した。

1956年、パリのリッツホテルからヘミングウェイに彼が預けたままになっている2個のトランクを引き取ってほしいという申し出があった。トランクの中には約30年前の彼のパリ時代のノートや新聞の切り抜き等様々なものが入っていた。それらをもとに彼が1920年代のパリの思い出を語ったのが本作。

著名人との交流の様子や創作意欲に溢れ、生き生きとパリの街を闊歩するヘミングウェイの様子がとてもよく伝わってくる。セザンヌの絵から影響を受けたことや彼の文章に対する考え方なども語られていて興味深い。

I would stand and look out over the roofs of Paris and think, "Do not worry. You have always written before and you will write now. All you have to do is write one true sentence. Write the truest sentence that you know." So finally I would write one true sentence, and then go on from there. ~from "Miss Stein Instructs"~

彼の文体はこういう考えのもとにかかれていたのだ、と納得。とにかく文筆活動への熱意は並大抵のものでは無かったようだ。「どんなに貧乏でも好きなことをやっているから自分はそれを厭わない。」というった言葉が随所に出てくる。そんな若かりし頃の彼のエネルギッシュな様子が伝わってくる一方で、30年前の自分自身を晩年のヘミングウェイが若い頃とはまた別の目で眺めている部分もあり、厚みのある作品になっていると思う。また時々は読み返してみたい作品である。



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